カーシェアリングといえば、自家用車の購入やレンタカーよりも気軽に自動車が利用できる方法として知られています。
カーシェアリングの仕組みは単純で、サービスに登録した人達は、登録車間で特定の車を共用できます。
そんなカーシェアリングにもIoT活用の実例が増えてきているのをご存知でしょうか。今回はカーシェアリングに活用されるIoTの実例と、関連する現在の動向をご紹介いたします。
世界のカーシェアリングサービス
まずは世界のカーシェアリングサービスが取り入れているIoTの実例からです。世界的な大企業2社からピックアップします。
「Zipcar」
米国に本社があるカーシェアリングサービスの「Zipcar(ジップカー)」では、GPSを利用してWEBサイトやスマートフォンアプリから共用車を探すことができます。自分の近くのどの場所にあるかが一目瞭然です。日本ではまだ提供されていないサービスですが、近々台北ではサービスが開始されるようです。
【画像出典元】:zipcar.com
「Car2Go」
動画出典元:car2go

ドイツの自動車メーカーが提供するサービス「Car2Go(カーツーゴー)」もIoTを活用しています。自分の近くにある専用車両を簡単に発見できるのはZipcarと同じです。それ以外には、ガソリン車の燃料ゲージ確認と、電気自動車のバッテリー確認ができます。
参照元:CAR2GO
日本のカーシェアリングサービス
日本においてもIoTを活用したカーシェアリングサービスはスタートしています。中でも動きが目立つのは後述の「タイムズカープラス」です。
「オリックスカーシェア」「careco」
オリックスカーシェアとcarecoは、どちらもインターネットを利用した予約が可能なサービスです。
オリックスカーシェアではロック開錠にICカードを使い、carecoではスマートフォンやICカードを使います。

【画像参照元】
「タイムズカープラス」
駐車場サービスで知られる「タイムズ24株式会社」が提供するサービスです。専用のアプリを利用して車の位置と空き状況を簡単に確認できます。さらに、WEB上で事前に目的地を設定しておけば、カーナビに入力する手間を省けます。
タイムズカープラスはIoTを活用した新しい取り組みに積極的なので、その取り組みについてこれからご紹介いたします。
動画出典元:https://www.youtube.com/watch?v=OwPyyc7sUzE

タイムズカープラスの取り組み
TCPプログラム
端的にいうと、「いいことをするとポイントがもらえる」「悪いことをするとポイントが減る」というものです。 IoTに関係するものをピックアップすると、「急加速・急減速をしなければポイントがもらえる」「利用時20リットル以上の給油でポイントがもらえる」などがあります。 IoTに直接関連しなくても、「TCP検定」や「キレイ度チェックアンケート」などでポイントが増やせます。
今回のIoTは、急加速・急減速や給油を自動車が検知しインターネット経由でポイントに反映する部分に活用されているといえます。
このポイントが得られる取り組みによって、利用者のマナー向上が期待できます。 ちなみに、このプログラムなどで手に入るポイントを貯めると、30分無料になるチケット・通常2週間前からの予約が3週間前から可能になる・大幅な割引などの特典を受けることができます。
見守り機能
2017年6月1日から、車の異常挙動を検知するセンサーが車両に搭載されます。通常走行では発生しない挙動が検知されると、運転者の安全確認や異常発生時の対処法の表示が行われます。この検知された場所や衝撃に関してのデータは、収集し交通安全対策のためのビッグデータとしていく検討がなされています。
【参照元】
セキュリティにもIoT
トヨタ自動車株式会社が推進するモビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)の一つとして、スマートキーボックス(SKB)が開発されました。SKBによって、セキュリティの課題であった鍵の受け渡しが安全に行えます。さらに、スマートフォンがキーになるので大きな手間がかかることはありません。
高齢化社会へ向けたカーシェアリングも視野に
東急不動産ホールディングス株式会社と本田技研工業株式会社は、2017年夏に「高齢化社会対応型スマートコミュニティ」実現への実証実験を開始すると同年5月18日に発表しました。
そこで有効性などが検証されるものに「カーシェアリング」があります。実現が目指されるのは高齢化へ向けたスマートコミュニティということで、そのシステムに「位置情報送信」などのIoTテクノロジーが用いられると予想されます。
マンション専用カーシェアリングも実証実験中
IHI運搬機械株式会社はマンション居住者専用のカーシェアリングサービス実現への実証実験を行っています。期間は2016年11月1日~2017年10月31日予定となっています。具体的な内容は、マンション住民がスマートフォンアプリ使用でカーシェアリングサービスを利用できるようにするというものです。そのために、IoTデバイスの取り付けなど環境が整備されます。
【参照元】
IHI運搬機器株式会社
駐車場の空車室を活用したマンション専用 カーシェアリングサービス実証実験開始
カーシェアリング×IoTが身近になるのは「これから」と言えそう
先述したように、現在はカーシェアリングに関しての技術が開発されたばかりであったり、サービス実証実験中の企業も多くある状況です。よって、「カーシェアリング×IoTが身近になるのはこれからと言えそうです。